ケロQ「素晴らしき日々 ~不連続存在~」 クリア&感想

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「どんな不幸だと思われる人生だって幸福に生きよ!」

 人生をもう少し楽しく生きてみよう。そんな風に感じた作品でした。

クリアした後に改めてOP主題歌の「空気力学少女と少年の詩」を聞くと本当に良い曲だなと心に沁みます。

 

まだちょっと整理できかねている部分があるので、もう一度最初からプレイしてみようかと考えています。どうも序盤から中盤にかけての電波具合にやられて、その後の種明かしの際に「え!? じゃあ、あれはどういうことだったんだ…??」と考察を繰り返してばかりで、話の展開についていくのでいっぱいいっぱいだった感があります。

作品中に出てきた哲学書、参考文献も読み漁ってみたい。個人的には戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」が気になる。「心意気だ!」と叫んでみたいw

こうした知識があるともう少し踏み込んで作品の良さを感じられるんだろうなぁ。

 

それでは第6章 クリア後の感想を。

全ての事の発端である7年前の事故の回想、そして正しい結末へ…。

 

ピンチの時にこそヒーローの出番。卓司との敗北も全ては演出!

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「さぁ、行けよ…ヒーロー」このシーンは最高だ。

由岐はずっと皆守を見守り、支え続けてくれてたんですね;;

皆守が「俺は間宮卓司によって生み出された人格で、いつか消える存在なんだー」みたいなことを言ってた時も、由岐だけは「そうじゃない、なんとかして救える方法はないものか」そんな風に考えて、消滅寸前にも関わらず無理して頑張ってくれてたんですね。

 

 卓司の呪い。全てはここから始まったと言ってもいい負の連鎖。

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弟の卓司は本気で救世主を目指していたみたいですね。ただ双子として生まれたが故に、救世主としては未完のまま。だから羽咲を空に還すことで本当の救世主になろうとしていたと。

卓司人格の時に若槻姉妹を見て憎悪や苛立ちを感じていたのもここらへんが理由になっていたのかな。

「体が壊れても、兄さんのを使えばいいんだからね」

この一言はヒヤッとしたなぁ。そこまで執着するのかっていう。死後に強まる念みたいだ。卓司人格が皆守の罪悪感、思い込みからくるものなのか、はたまた正真正銘、本物の卓司の魂が乗り移ったのか怪しいところですが、真偽はともかく人生を狂わせてしまうほどのものだったという事実。

 

皆守は母親を「子を捨てた裏切り者」呼ばわりしてましたが、実は悪い人じゃなかったことも分かりました。

藁にも縋る思いで宗教に手を出した…。それは夫を助けるためであり、卓司が救世主になることで全てが元通り、上手くいくはずだという狂信的な思いがあったから。

 

3つのエンディングについて。

色んな意味ですごい作品だった。

世界とは何か。自分とは何か。生きるとは何か。

プレイヤーにちょっと待った!をかけて「今一度しっかり考えてみよう、感じてみよう」そんな風に全章通してプレイヤーに哲学的な問を投げかけていたように感じました。

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木村が「今回の集団ヒステリーは、時代の閉塞感が生み出した事件だ」なんて臭い締め方をしてましたが、自身と世界をパズルに例えている会話は印象深い。

パズルのように自分というピースがぴったり嵌まる世界なんてない。パズルには外枠があるけれど、この世界には外側なんてない。外側を見ようとすることは、ありもしない風景を見ようとすること。ありもしない風景に幻想を抱き、希望を見出そうとするから絶望する。人生の意味に、世界の意味に、自分の意味に。

 

  • 「向日葵の坂道 end」

なぜか由岐がいなくならずに済んだ一応のハッピーエンド的な。

皆守と羽咲にだけ由岐の姿が見える…。それでもいつかは別れの時がくるんでしょうけど、これまで長いこと不幸続きだったんで、これくらいの奇跡 (皆守の言葉を借りるなら脳の不具合w) はあってもいいと思う。皆守と羽咲、由岐の3人で少しでも多くの思い出を残していって欲しいなぁと思える終わり方でした。

 

ここまで綺麗にまとまったendが2つ並んで、いよいよグランドフィナーレ的なendへ向かうのかと思いきや……最後にとんでもない爆弾を投下してきたぞ…。

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む? むむむ??

なんだこれ。今までの全部が1人の魂による自演でした、みたいなこと言ってる…!?

問題は、ヒーローの皆守を見送った後の由岐と音無彩菜の会話。
幽霊部屋の記憶は1章の幻想世界でざくろの自殺に巻き込まれた時の夢の中での体験。にも関わらず、なぜざくろの自殺に巻き込まれなかった場合の由岐が夢の体験を知っているのか。

"1つの魂が何度も転生して見た無限の光景"

だから知らないはずのことを知っている。
ある時は水上由岐、ある時は間宮皆守、ある時は間宮羽咲、ある時は高島ざくろ…etc

転生を繰り返して、何度もループして…。

なんだか台無しのような…。深く考えたら負けなやつかこれ。もういみわかんねーw

 

~ 印象に残ったセリフ~

…さあ、取れ、取るがいい!
だがな、貴様たちがいくら騒いでも、あの世へ、俺が持って行くものが一つある!
神の懐へ入るときはな、俺はこう挨拶をして、青空の門を広々と掃き清めて、貴様らがなんと言おうと持って行くのだ!
皺一つ、染み一つつけないままで!それはな、わたしの……心意気だ!

 モン・パナッシュ!!

神は我々と共に歩む…
だから、死後、自分が歩いた道を見ると…必ず寄り添う足跡がもう一つ見つかる
人生は寄り添う力で支えられている…
でもさ…一番つらい時、悲しい時に、足跡は一つになってるんだってさ…
その時…神様は、立ち止まって動けない人の足そのものになってくれてるんだってさ…
そう…立ち止まっていると思えた道も…かならず先に進んでいる…
まるで、羽咲ちゃんが登れないと思った、あの坂道みたいに…
人は先に進む……その歩みを止める事はできない
たった一つの思いを心に刻み込まれて
そう、命令した刻印…すべての人…いや、すべての生命が刻印に命じられて生きている
そうね……その刻印には、ただこう刻まれている
幸福に生きよ!

 命令されてるんだから幸福に生きるしかないでしょう。

世界のさ…世界の果てのもっともっと果て…そんな場所があったとして…
もし仮に俺がその場所に立つ事が出来たとして…やっぱり俺は普段通りにその果ての風景を見る事が出来るのかな?なんてさ…
これが当たり前って考えるって…なんか変だと思うだろ?
だって其処は世界の果てなんだ 世界の限界なんだぜ
もしそれを俺は見る事が出来るなら…世界の限界って…俺の限界と同義にならないか?だって、そこから見える世界は…俺が見ている…俺の世界じゃないか 世界の限界は…俺の限界という事になるんだよ

 俺の限界が世界の限界なんだ!ドヤッ

 ボクの人生はオナニーだ。完全にオナニーだ。
しこしこ回転しながら加速する、ボクは世界をぐるぐる回るバレリーナだ。

(  ^ω^) ぼくも毎日、しこしこ回転バレリーナしています ///

 

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単なるエロゲというよりは、読み物として結構良い刺激をもらえたように感じます。

自分の生き方について改めて考えてみる。そんなきっかけをくれた作品。

内容こそ、電波でグロで胸糞な強烈シーンはありましたが、オールクリアすることで伝えたい、考えて欲しいメッセージ性みたいなものは確かに受け取ることができたように思います。

あまり人にお勧めはできない類ですけど、プレイして絶対損はしない作品ですね。

モン・パナッシュ!!

 

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