読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「Clear」 春乃・ののかルート 感想

これ良いゲームですねぇ…。人によってはじれったく感じるかもしれないですが、人と人との距離感、付き合い方について難を覚える人にとっては共感できるんじゃないかなと。

とりあえず、絵本部繋がりの春乃とののかの話を終えたので感想書いていくんですが、ルート感想入る前にこの「Clear」という作品の僕の印象をつらつらと。

 

 「人って、なにかの拍子に心が…その一部が欠けてしまうことあるんじゃないかな。

主人公の行野光一は「優しさ」を失くしているわけで、心に欠損がある。だから他人の優しさや言動、情緒を理解できない。

「心まで歪だから、嬉しい時に笑えない。きっと悲しい時に泣けないのだろう。」

f:id:frostmoon06:20141117223737p:plain

理解できないからこそ、形だけでも「人間のフリ」ができるように人間らしく振舞う努力をしている…というわけですが、主人公が考えている脳内の思考とかは独特で「あぁ、感情が理解できないと確かにこういう考え方になるよな…」とどこか自然に納得できる部分があったり。そんな光一が遂に「優しさ」を取り戻す瞬間ってのはとても感動的で心に来るものがあります。

 

人と違うことは罪ではない

透明な壁の向こう側にあるのは 一人では作れない大切な場所

きっと、もう一度見つけられる 

あの時失くした心の欠片を

そしていつか流せるだろう 完璧な涙を

 

うーん。なんかもう ↑ の文言見ただけで感傷的な気分になってくるよね。

この「完璧な涙」ってどういうことなんや?と最初は思ってました。

 

曲に関してですが、まず主題歌の「硝子のLoneliness」「Perfect tears」を筆頭に挿入歌やED曲が多いのが特徴的で全部良い曲なのが大変すばらしい。

たぶん高音質版 硝子のLoneliness ‐ ニコニコ動画:GINZA

たぶん高音質版 Perfect tears ‐ ニコニコ動画:GINZA

BGMも個人的な好みにドストライクでとくに落ち着く系のBGMはもう聞きながら眠りたいレベル

 

まだ2ルート終えただけなんで当然ですが…故人である兄・陽一は物語に絡んでくるのか、吸血種とはなんぞや、なぜ幽霊が見えるのか、さえとひなの正体、岸ってなんぞ?、そもそも優しさを失った原因は?と分からないことだらけであるw

 

▼春乃ルート感想

何事も「心の持ちよう」であること。 幽霊を呼び寄せてしまう体質の春乃。

f:id:frostmoon06:20141118002100p:plain

一見すると明るい元気系の子なんですが、彼女には魂(心)がなかったと。

ここは光一と春乃は似た者同士であること。お互いが自分に思うことは相手にも重なってしまうという感じを受けたかな。ピノキオの絵本との対比、心をなくしている者同士、母子関係など二人に共通する点が多かった。

幽霊少女・薫の問題解決では、心がないため光一は園部親子の事情に共感できなくて春乃と緋雨との間に距離(彼我の隔たり)を感じていました。それを外から眺めているしかないという比喩を込めて「透明な壁」=「clear」だという表現。

最初の掴みに春乃をやったおかげで、あぁタイトルの「Clear」とはそういう意味なのかと分かりました。

人間の心を教えてくれるジュペットじいさんと魂のないピノキオが、光一と春乃に重なりました。どっちの立場でも考えられます。

 

魂がないことのデメリットは人を本気で好きになれないこと。光一への好意、心の底から人を好きになるためには魂を取り戻す必要があった。

ほおっておけば春乃は光一を好きという気持ちを忘れてしまうんですが

光一的には「忘れてしまって全部消えたとしても、それは究極的には困らない。何もなくなるのだから思い悩むこともなくなる。それでも構わない。」

心がない=悲しみを感じないなら、まぁ確かにどっちでもいいと思うのは当然。それより忘れた方が気が楽になっていいんじゃないかと光一は考えていたようなので、ここは光一の欠落、心の隔たりがよく分かる部分だなぁと感じました。

 

春乃の努力があっても結局、光一は心を取り戻せず…人間らしさを取り繕うだけで精一杯の空っぽさを見抜かれて、春乃に愛想尽かされる辺りから面白くなってきたように思います。

f:id:frostmoon06:20141118013924p:plain

最初こそ、ただの好奇心から。何か自分に得があるのではないかという打算のあった光一でしたが、春乃との交流の中で少しずつ人らしい感情に近づいていったこと。

そういう積み重ねがあったから、失恋を超えて次を歩もうとして遠ざかっていく春乃の姿に、光一はやっと初めて泣くことができたんだと感じました。

ここはテンポも良くて、背中を見せて泣いている光一の姿が印象的で綺麗な雰囲気にまとまっていました。

 

最後まで光一は母と連絡を取らずに死別したわけですが、この「母」については気になるところ。

 

 

▼ののかルート感想

ここはののかと同姓同名の光一の知人・のん姉が出てきて、さらに2人は境遇も記憶も同じだからどういうこっちゃ!?って感じ。

f:id:frostmoon06:20141118000859p:plain

まぁ一つ上のお姉さんでメイドさんで料理上手くて可愛いなんて反則ですわ。

記憶喪失ということでしたが、実はののかは亡くなった悠里(光一の初恋?の相手)であったと。本来あったはずの寿命が手違いで2年短く死に至り、のん姉と入れ替わることでその過不足分を今まで生きてきた。ののかが持っていたのん姉の記憶は、のん姉が自殺を図る際に告白した事情が元であったということでした。

寿命の取り立てにきた使者ネンとアオアの登場について、なんか世界観違うくね?と一瞬思いましたが、些細なことでしたw 利息として見逃してくれたり、最後の最後にののかと再会させてくれたりと意外と優しい子でした。

 

ののかは死を受け入れて期限までに思い出づくり&生きた証として絵本の完成を目指す。 光一は自分がののかのことを考えているようで、実際は自分の保身しか考えていない欺瞞に気付く。ののかを自分を良く見せるための手段にしたくない、ののかのためにできることを探して悩んでる辺りの描写はなかなかよかったと思います。

f:id:frostmoon06:20141117234113p:plain

丘での別れの直前まで、光一は人並みの悲しみすら抱けなかったわけですが、最後に一言呼びかけたののかの名前、その一言だけは無心だった。

「ののかのことだけを思ってできる唯一のことは、呼びかけることだけだった…。」

というのが、光一のどうしようもなさを伝えていて切なかったです。

正直、光一やののかが「やっぱり生きたい!もう少し待ってくれ!」と命乞いする展開、もしくは光一がやけくそで「何が何でも、ののかは連れていかせねぇぞ!」展開を期待してたんですが、それもなく本当に今生の別れになってしまったので、ここで思わず泣いちゃいましたw

f:id:frostmoon06:20141118000302p:plain

ののかが去った後、完成した絵本を読んで光一は心を取り戻すわけですが、せっかく…遂に光一は心を取り戻したのに、それもののかが去った後という皮肉、救われなさに落ち込みました。せめて、心を取り戻して本当の気持ちで別れにのぞめていたらと思って…。

最後の最後までプレイヤーに期待させず、ののかはもう死んで会えない雰囲気全開だったので「あぁこりゃ復活は無理か…」と諦め入ってたんですが、そんなことはなかったでござる!安心しました。

 

結局、神社にいた赤子はなんだったの?という疑問。光一の発言から吸血種と思われるが…果たして。

 

 

広告を非表示にする