nitro+ 「鬼哭街」 感想

鬼哭街クリアしました。

ニトロらしいダークで熱い展開、短かったけれど内容は密でとても濃いです。濃縮されてます。いとうかなこさんが歌う主題歌も上手く作品とマッチしてました。

 

外家のサイバネ拳法家と生身で渡り合うコン・タオローの戴天流拳法恐ろしす。

相手が行動するより前にその「意」を読み、こちらは考えるよりも先に剣が意志とは関係なく斬る、という内家の極意で亜音速で繰り出されるサイボーグの攻撃を生身で躱しちゃう。それだけでなく体内の血流、呼吸を整え気を練ることで肉体の運動機能を増幅させる軽功術。派手さはないけどその繊細で奥深い内功を使うことで相手とのパワーバランスを覆したり、裏をかいた戦術をしたりと戦闘シーンの盛り上がりはやばかった。そして命を削るという代償を払うことで繰り出される必殺の紫電掌!

 

戦闘と言うとタオローも勿論ですが、印象に残ったのはユン兄弟登場シーンですかね。タオローと仲が良かったからこそ一番相手したくない、けど忠義に反する輩として堕ちた復讐鬼を倒さなきゃならんという複雑な気持ちを抱えての戦い。

こいつらがまた、仁と義に厚い良い奴だからこそ魅力的で好きです。

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戦闘も良かったですがその世界観の設定がまたえぐかった・・・。

・タオローは過去に兄弟子に裏切られている 瀕死の重傷を負う

・一途に思ってきた大切な妹・ルイリーが仲間に輪姦されて脳の情報を取り出される

(脳から情報を取り出す時の激痛を味わって死亡)

・取り出した情報を5体のガイノイドに20%ずつ移植 (魂魄転写)

・そのガイノイドは性処理や金儲け、ストレスの発散に利用されている

精神と肉体を離れた魂は情報化できるのか、その情報を分割して再構築させた情報は生前の元の記憶と同じものであるといえるのかという生命の尊厳を無視した冒涜的な命題が扱われていました。

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しかし、人間より肌の質感・肉感は優れている。人間のように一々、感情に振り回されて面倒を起こすことがない。どれだけ乱暴に扱おうが修理可能で言うことは全部聞く、という超都合の良いガイノイド。(あ、僕は一番右のペトルーシュカちゃんが好きです^^)

こんな理想の人形があればそりゃみんな欲しいわなw

 

 

こっから要点まとめに入ります。

最終章直前まで分からなかった「鬼眼麗人」リュウ・ホージュンの不明な点。
・兄弟子として慕い、仲良かったタオローをなぜ裏切ったのか
・なぜ妻とするはずだったルイリーを輪姦させ、5体のガイノイドに移植させたのか
・組織すらも利用してどんな目的があったのか

その答えと物語の顛末をネタバレ全開で自分の整理もかねてざっと。

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この人、実はタオローと同じ内家拳士。内臓をすべてサイボーグ化した?という疑惑がありましたが人体の機能はそのままに内功を使うため、あくまで生身をベースに強化してあるだけということでした。体への負担なしで紫電掌を使えたり、内功を極めたその体捌きは音速を超えたりとさすがはラスボス。

 

≪タオローの思い違い、ルイリーの本心≫

タオローは独りよがりな考えを押し付けてルイリーは幸せであると思い込んでいた。

兄としての愛情しか見せないことを心苦しんだルイリーは兄のタオローを兄妹愛ではなく恋人のそれと同じ感情を抱いていた。

リュウ「お前がそれに気付き、想いを汲んであげられたならルイリーは救われた。」

 ルイリーは恋い焦がれ、思い患い、追い詰められて少しずつ壊れていった。
形だけの結婚という幸福より、掛け値なしの絶望を求めた。


輪姦された夜、ルイリーは嘆き悲しんだのではなく笑っていた。
兄を思うことが苦しいから、いっそどんな痛みも苦しみもルイリーにとっては悦びになった。

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実際は凌辱されたのではなく、ルイリー自身が望んでしたことであった。

リュウ「貴様だけが救えた! 彼女の想いを、病んだ心を癒してやれた!」

ルイリーの本心を分かっていながらも、それを癒してやれる器ではないこと。彼の全てを捧げても見向きもされない虚しさ。自身の無力を知っているからこそ、救えるのに救わなかったタオローがどうしても赦せなかったということでした。

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タオローにルイリーが望んだ地獄と同じだけの苦痛を味あわせることが目的であり、絶望したルイリーがリュウを狂人へと至らせた。

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タオローの絶望、執念、憎悪すべてがルイリーに捧げられるもの。
ルイリーのためだけを思って兄タオローが血を流し、叫び、苦痛を味わう姿に愛おしさ、快楽を感じている2体のルイリー。このシーン、愛情表現が怖いです。

 

 「永遠に一緒」のラストシーン。結局、タオローもリュウも相打ちで共倒れになったわけだけど、タオローの頭蓋から脳の情報を魂魄転写してルイリーと融合。

もはや肉体の無いデータとして抽出された2人の魂?ですが、ルイリーとタオローが

一番望んでいた結末になったと見てとれます。

存在のあり方こそ歪ですが、これはこれでハッピーエンドのような気がします。

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